宮口幸治さんの「ケーキの切れない非行少年たち」を読まさせていただきました。
読んだ人も多くいるのではないかと思います。子どもたちにこれから関わっていく身として考えさせられることが非常に多い本でした。
最近も電車で人を刺すなどの若者の事件が多くあると思います。普通に考えたらやらないようなことをやってしまう。もうちょっと考えたらやる必要ないのにと普通の人は思いますが、それでも事件は後を絶ちません。
知的な障害によって不安やストレスが重なり、それが爆発したところで犯罪を起こしてしまいます。軽度の知的障害は普通の学校のクラスにも数人います。教師はその子たちがさぼっているだけだと決めつけたり、その子ができないようなことを無理やりやらせて出来なかったら叱ったりということをしてしまいがちです。教師はその子のことを分かっているようで全く分かっていないのではないでしょうか。
その子ができないこと、苦手なこと、ムカついてしまうことを周りの子たちが知る必要があると思います。非行を起こしてしまう子は認知機能が低いため自分が周りから嫌われていると感じることが多いそうです。それで友達に暴力を振るったり暴言を吐いてしまうことが起きてしまいます。周りの子に被害が及んでしまうかもしれません。
しかし、その子を違う場所に移したりとかは簡単にできるわけではありません。また違う場所に移すことが本当に正しいとは限りません。犯罪を犯した少年が更生したあとに社会復帰したとしても、人間関係がうまくできずまた同じことの繰り返しになってしまうといいます。
教師として、一人も見捨てない、ということを子どもたちに常に伝えていくしかないと思います。その子と関わることは得である、その子を巻き込んで学級として成長していくしかありません。その子が学校でいろんな失敗をしながらも自分を分かってくれる友達に出会い、社会で生きていけるための力、つながりを地道に作っていくことがその子に教師としてできることだと思います。