先日、大学の授業でスライドを作って発表することがあったのですが、ゼミ室で作業していると西川先生がこの本参考にしてみればと言ってこの本を貸してくださいました。
タイトルからしてすごいインパクトですよね。そしてこれはビジネスを学びたい人向けの本です。でも一般に売られているビジネス書とは違い、学校の教室での徹底的な実証的研究に裏打ちされているものです。根拠俺ではなく、多くの時間をかけて現場で研究されたことを基に書かれている本です。
過去の西川研究室の先輩方の素晴らしい研究を基に、それを職場で考えるとこういうことが起きていて、その解決策を描いています。
この本を読むと西川研究室の研究がいかに奇想天外で素晴らしい研究だということが分かります。なんでそんなことが思いつくの?とつくづく思いました。
タイトルにもあるように”その”部下を指導しても無駄だということが、多くの時間をかけた研究からよくわかります。僕は部活で部長をしていますが、あいつさぼっているなとかあいついつも仕事を人に任せているなとかすぐ目についてしまいます。部長になった人ほどそう人にすぐ目がいってしまう気がします。でも部長にはそいつを変える力を持っていません。常に集団で物事を考え、集団の中の2割を動かす思考を心がけているようにしています。
『学び合い』の目的である「一人も見捨てない」ということが腑に落ちるには、ゲーム理論の中の囚人のジレンマがとても参考になります。本書ではそれについてとても詳しく書いています。学校での人間関係はたった一回限りではなく、その後も一生続いていくものです。だから仲間を裏切ったり見捨てたりすることは結局自分の首を絞めることに繋がります。学校での関係は永続的な関係だからこそ日々の教科学習から協力していく必要があるのです。
最初にこの本はビジネスを学びたい人向けの本だと書きましたが、もちろん教師も読むべき一冊です。会社経営も学級経営もほとんど同じです。人を動かし、最高のパフォーマンスを上げるためにはどのようにすればいいか。それが分かる一冊です。
kindle unlimitedに加入している人なら無料で読めるので是非読んでみてください。