サバイバル教師日記

教師3年目 日々の挑戦を書きます。

これからの働き方

フリーエージェント社会の到来』 ダニエル・ピンク著

 

本当に面白かったです。

分厚い本ではありますが、とっても読みやすいです。出版された年はもうかなり前ですが、今読んでも心に響くことがたくさんありました。

本書を読み終えたとき、この本で言われていることを実践していたことがあると気づきました。

大学時代のゼミはまさに、各々がフリーエージェント化していました。

何をするにも個人の自由。研究をするのも、イベントをするのも、本を書くのも個人の自由です。一人ひとり自分がしたいと思ったことをします。本を書くとなっても、ゼミのメンバー全員が協力してやらなければいけないということはありません。だからその企画に参加する人もいれば、いない人もいます。ゼミのメンバーの中でも、この時はこの人たちと繋がって協力して何かを成し遂げる。またある時は別のメンバーとやる。繋がる人がことあるごとに変わっていくというのは、まさにフリーエージェントの働き方です。

僕は大学時代自由に何かをするという経験を得ました。しかしそれには責任を伴います。本書では、

ここでいう責任とは、自分の生活の糧と評判を賭けて仕事をするということだ。

と述べています。自由は優しくも見えますが、自分の価値を決めるという厳しさをもっています。

 

公立学校教師となった今、自分にフリーエージェント的な発想をどう持ち込めるか。

学校は、オーガニゼーション・マン(組織人間)を作る最良のシステムを持っています。みんな学ぶことは同じやることは同じ。右向け左向けの教育です。組織はいずれ終わりが来ます。大企業でも倒産する社会です。ただ上の指示に従いそれを指示通り早くこなすことがいいと言われ、育てられる。それでは、これからの社会で生きていくことは難しい。

では、どうするか。子供たちに”自由”を与えることです。誰と関わるか、どう学ぶか、何をするか、その裁量を子供たちに与えることです。そして、ビジョンを与えることです。その上で子供たちと対話していくことです。

そうなると、私たち教師の働き方も変わっていくと思います。非常勤講師をしながら副業をして自分の価値を使い、お金を生み出していく働き方。それが正規で働きながら、自分の裁量で結果を出していくことができていければいいかもしれません。

従業員管理の最善の方法は、金をつかませるのではなく、フリーエージェントのように扱うことなのである。

本書でもこう述べていました。学校という組織自体が働き方のマインドを変えていく必要があると思います。

 

こういった働き方をしていくためには、自分の価値を高めていく必要があります。

情報であれ、環境であれ、医療・福祉であれ、コミュニティ・ビジネスであれ、今後成長が期待される分野に共通する法則がある。それは「与えた者こそが与えられる」という法則だ。インターネット上では、情報を発信する人ほど、貴重な情報が集まる。医療や福祉の分野でも、他者を癒そうとする人が最も癒され、ケアする人ほどケアされる。フリーエージェントも、まずは宣言し、自ら行動を起こすことが何より必要だ。それがあって、はじめてチャンスやヒントは集まってくる。

※太字は自分がしました

大学時代のゼミの人たちの情報発信率は、目を見張るものがあります。もちろんSNSで発信していない人もいますが、発信している人がこんなにもいる大学のゼミなんてないじゃないでしょうか。それは、これからの社会で生き残るための生存戦略を理解しているからだと思います。

まず自分にできることと言えば、こういったブログでの発信を続けていくことです。それが新たな繋がりを生み、仕事を生みだしていくと思います。

 

フリーエージェント社会の到来。来るべきに備え行動していきましょう。

 

 

 

ここから下は、本書で自分の心に響いた言葉を引用していきます。

フリーエージェントに共通するのは、インターネットや地域コミュニティーを活用したヨコのネットワークの存在である。p.4

 

仕事における自由度の低い人は自由度の高い人に比べて、心臓病で命を落とす割合が70%高いという。p.76

 

フリーエージェントの魅力は「好きな時に、好きな場所で、好きな量だけ、好きな条件で、好きな相手と仕事をすることができる」ことだ。

意味のある人生を送りたいという心の渇きを癒してくれるのは無料のコーラではなく、自由なのだ。p.79

 

仕事の世界でも「分散投資」が生き残りの条件になりつつあるのだ。p.106

 

十分な調査と確固たる原理原則、そして分散を重視する。すべての人的資源をひとつの雇用主に投資するのは愚かだというのがフリーエージェントの発想なのだ。

 

フリーエージェントになると、みんなその人の時間を尊重してくれるようになる」

「周りの人たちも、フリーエージェントに無理強いはできないとわかっている」。組織に雇われないで働けば、雇われて働くより自由に時間を管理することができる。p.132

↑学校で言えば非常勤講師の働き方がこのような待遇の気がします。

 

上司の打ち鳴らす太鼓の音に合わせて一斉に行進するのではなく、フリーエージェントは自分のリズムで生きているのだ。

多くのフリーエージェントはいわば「ニューエコノミーのセブン-イレブン」になっている。p.134

 

「いまの仕事に満足している度合いが高い人ほど、知り合いを通じてその仕事に就いた確率が高い」p.184

 

フリーエージェントのOSの基本となる構成要素は、信頼である。p.189

 

フリーエージェントの世界では、成功するためにはよい人間でなくてはならないのだ。p.192