サバイバル教師日記

教師3年目 日々の挑戦を書きます。

全員で作る

 

 今日の国語の授業(単元:スイミー)では、大きな魚(マグロ)に襲われるのを防ぐために、真っ黒なスイミーが目となり小さい魚が集まって大きな魚になるところの場面をやり、最後にみんなで大きな魚を作ってみました。

隣のクラスもやっていたので子供たちもやってみたいということでやってみました。

僕は、ただ子供たちが画用紙を切って貼る作業をするだけではもったいないと思いました。どうせなら、すべて子供たちに任せてみようと思いました。

「この1時間でみんなで協力して大きな魚を作ってほしい。スイミーの物語には、『けっしてはなればなれにならないこと。みんな、もちばをまもること。』と書いてあったよね。それってどういう意味だろう。考えてやってみよう。」とだけ言って任せました。

結果、写真のような立派な魚ができました。作る過程には、簡単そうに見えて、小学校2年生には難しい作業が多いです。大きな魚の枠を模造紙にあらかじめ描いておかないといけないし、黒い魚のスイミーを誰が描くのかの問題もあります。また間が空きすぎないように魚たちをどれだけ切って、どこに貼るのかも考えなければいけません。

教師が枠を描いておいて、誰が黒いスイミーを書くのかを決め、はいここ貼ってと子供たちに指示を出せば見栄えの良い魚はできます。けどそれって子供たちのためにはならないしつまらない。

僕は何も指示していませんが、模造紙にまず大枠を描く子、魚の絵を描く子、魚の絵の形に切り取る子、魚を模造紙に貼る子、みんながそこら中に落としているゴミを集める子、それぞれ役割を見つけてやっていました。黒いスイミーは先生描いて、と言ったので結局僕が描きました(笑)1時間ぴったりで完成しました。

僕は授業の最後にこう言いました。

「(大きな魚を見ながら)これが協力するってことなんじゃないかな。先生は何も言っていないのにそれぞれ役割に分かれてがんばっていたよね。正直想像以上だし感動した。でも、みんなで作ろうといったよね。参加できなかった人もいたよね。それは先生悲しいことだと思ったよ。」

そう、まだ”全員”ではできませんでした。クラスには一人だけ参加できていない子がいました。その子は図工の時間、いつも手が止まっていて作品が作れません。今回、魚は一回描いたけど途中であきらめて画用紙をくちゃくちゃにしていました。その子にどう接すればよかったのかを考えるのは子供たちです。僕は全員でできたかということを中途半端に見取り、子供たちに語ることはしたくないので、必ず正直に子供たちに投げかけます。

 

この後の算数も『学び合い』でやりました。当然のごとく、動きがめちゃめちゃよかったです。

さっき参加できなかった子は普通の授業でも手が止まってたりどこをやるのか分からなくなってたりします。でもその子に関わり学び合う姿が見られました。このクラスで今までで一番良い学び合う姿でした。その気持ちをみんなに伝えました。

 

どんな授業でも、どんな場面でも、集団を作っていくチャンスは転がっています。

そして本気で語ればゆっくりでも、確実に集団は変わっていきます。

 

今日はうれしかったので、長く書いてしまいました。