自分は学校部活動から地域部活動への移行の研究をしています。つまり学校で部活はやめようということを言いたいわけです。
でも部活をやめようと言っているわけではありません。”学校の範囲内だけで”部活をしていくのはやめようということです。そして従来の部活の在り方を見直そうということです。
自分が研究の調査として入らさせて頂いている地域部活動では、色んな中学校から子どもたちが集まり、色んな活動・企画を子どもたちが主体となってやっています。市のイベントに参加して一緒に盛り上げたり、市の問題点・課題点を考えて市役所の人に提案したりしています。このようなコロナ禍でもZoomやSlackを使いながらやっており、普通の大学生と同じようなことをしているなと感じています。そして大人は環境の整備や外部の人との交渉などをしており、子どもたちの企画に手を加えたりすることはほとんどありません。
この地域部活は文化系の色が強いですが、運動系の部活もこのような運営に切り替えることはすぐできると思います。
活動内容はスポーツが中心になると思いますが、そのスポーツを中心としたつながりから、企業同士の連携のつながり、就職へのつながり、結婚へのつながり、などたくさんのつながりを作ることが出来ます。
子どもだけではなく、老若男女問わず誰でも参加し楽しむ場があればより一層つながりが増えます。そのつながりを作るだけでも社会問題への解決になっていくのではないでしょうか。スポーツを通して何か社会貢献しているわけではないですが、スポーツをみんなで楽しむことが社会貢献につながると考えます。
そのためには競技志向の価値観からスポーツを楽しむという価値観に転換していく必要もあります。競技志向の価値観だと人とのつながりを生み出すことよりも勝負に勝つということに意識がいってしまうため、人とのつながりを生み出しにくいと思います。それよりも多種多様な人とスポーツを楽しんで一緒に汗を流してそこからまた新しいものを生み出していくことはこれからの社会を生きていく上で大切だと思います。
そのようなコミュニティを作るためにドイツのような海外の取り組みを真似ることもいいかもしれません。
自分も今大学のアイスホッケー部に所属しています。今スケートリンクがやっていないのでサッカーなどの違うスポーツをみんなで楽しんだりしています。コロナ禍で対外試合も多くありません。でもみんなで集まって汗を流すだけでもリフレッシュでき、そこで出会った仲間と情報交換をしたり遊んだりしています。
試合に勝つ、それだけを目指して部活をしていくこともいいことかもしれませんが、今までの日本の部活はその価値観が強すぎて逆に失うものも多くあったと思います。コロナのようなことがある現代社会ではその価値観だけでやっていたとしても無意味に終わってしまう可能性の方が多くなってしまいます。
地域部活の子どもたちも、文化系というのもあるかもしれませんが、大会とかコンクールに出たいと思っている子たちはとても少なかったです。それよりもイベントなどを自分たちで企画して動いていることに意味を見出しているのだと思います。
これからの社会を考えた時に今の部活は変わるべきであって、そして部活は教育課程外の活動であり、部活から社会・学校を変えていくことはもしかしたら意外と早く出来るのかもしれません。